ビセットラインは、歯の裏側に装置を付ける「舌側ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」を組み合わせ、それぞれの手法の強みを生かした矯正サービスです。今回はそれぞれの代表的なポイントを簡単にまとめました。特に知っておくべき、それぞれの「弱点」を多めにお伝えします

ワイヤー矯正の「強み」

24時間、強い矯正力。だから短期間でアーチ型に

ワイヤー矯正は何といっても強い矯正力。特に歯に対して「垂直」「水平」「回転」方向への矯正力があります(もちろん「傾き」にも対応できます)。多くの症例に対応でき、取り外しもなく24時間ずっと力が加わるので、短期間で、歯列をアーチ型に整えることが得意です。

「舌側矯正」なら最も審美的

舌側(裏側)ワイヤー矯正は、その名の通り歯の裏側へ矯正装置を取り付けるため、唇側(表側)ワイヤー矯正と違って表に見えず、最も審美的な矯正治療だと言えます。
最近では唇側ワイヤー矯正でも透明な矯正装置も登場し、審美性は高まってきています。

様々なオプションで広い適用症例

また様々なオプション治療が存在し、患者様の状況に合わせてこれらを使用します。ワイヤー矯正の対応症例の広さはこのオプション活用にもあります。

ワイヤー矯正の「弱点」

慣れるまで痛みを感じる方も

矯正力が強いからこそ、マウスピース矯正より痛みを感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に装置取り付けやワイヤー交換から数日間が多いようです。また装着器具があるため、食事や口腔内ケアに少し不便を感じる方がいるのも確かです。

ビセットラインは……
極小サイズのブラケット(矯正器具)を使用しており、かつ形状記憶ワイヤーも初めは0.2mm(細い髪の毛と同じくらい!)からスタートすることで、極力痛みが抑える方法を採用しています。

歯科医の経験則が頼り。治療費も高く

これまでのワイヤー矯正は、矯正専門医の技術と経験則が頼りでした。しかも通院タイミングがズレてしまうと計画よりも歯が動き過ぎてしまったりと、行ったり来たりの調整が必要になります。これが従来のワイヤー矯正で治療期間が長期になってしまう理由の一つです。

またワイヤー矯正は、段階を追って使用するワイヤーの太さを変え、調整しながら治療を進めていきます。進行状況によっては、矯正装置の付け替えも発生します。そのためマウスピース矯正と比較して治療費は高くなります。

ビセットラインは……
矯正専門医および過去の症例をもとに、デジタル技術を活用し、装置の適切な取り付け位置を算出し補助するジグを使用します。また就寝時に独自開発のマウスピースを同時に装着することで、歯の移動範囲を限定かつ誘導し、短期間で目的の位置まで歯を動かしていきます。これらの取り組みで、治療費を抑えることに成功しました。

「唇側矯正」は何といっても「見た目」

ワイヤー矯正の方が矯正力が強いのは分かっているけど踏み出せない……。この理由の上位に位置するのがこの装着時の見た目です。ただし、唇側ワイヤー矯正の適用症例が最も多いのも事実です。
最近では極力目立たないように透明な矯正装置も開発されています。

「舌側矯正」は嚙み合わせが深いと要バイトアップ

舌側矯正においては、噛み合わせが深い(上下どちらかの歯がもう片方の歯に深く覆いかぶさる状態)状態の場合、歯の裏側に取り付けた矯正装置ともう一方の歯がぶつかってしまいます。そのため奥歯を盛り足して高さを確保するバイトアップという措置が必要になります。慣れるまでは噛みにくいかもしれません。

マウスピース矯正の「強み」

自由な脱着が可能

マウスピース矯正は、「傾き」方向、例えば出っ歯のような前後の動きへの矯正に向いています。装着感も非常に軽く、自由な着脱が可能です。そのため食事や口腔内ケアは普段と変わらないかたちで行えます。

目立ちにくく、同時にホワイトニングも可能

クリアタイプのマウスピースであれば、装着時も目立たず審美的です。また同時にホワイトニングの実施なども可能です。治療と同時に実施して、白く美しい歯も手に入れちゃいましょう。

ワイヤー矯正と比較して安価な場合が多い

矯正装置はマウスピースのみであり、また歯科医が対応するような治療行為が少ない分、ワイヤー矯正と比較して安価な場合が多く、取り組みやすくなっています。

マウスピース矯正の「弱点」

軽微な症例が対象。特に「抜歯」が必要な症例には向かない

ワイヤー矯正と比較して、どうしても軽度な症例への対応となります。特に「抜歯」が伴う症例には向いていません。抜歯によって生まれた大きなスペースを動かすような対応が不得意だからです。
初回診断時、歯科医から事前にワイヤー矯正を実施する2段階治療を推奨された方も多いのではないでしょうか。

取り外し時は、歯が元に戻っていく

何といってもマウスピースを外している時間は、歯が「元の歯並びへ戻っていってしまう」ことが挙げられます。一般的に推奨される「20時間/日×治療期間中ずっと」という装着時間を長期間にわたり守り続ける必要があります。そのため、治療の効果や治療終了までの期間がどうしても患者様の取り組み度合いに依存してしまいます。

ビセットラインは……
調整期間としてマウスピース矯正を利用します。一般的な20時間装着の推奨は変わりません。ただし、ワイヤー矯正によってほとんど歯を動かした後の調整ですので、装着期間は短くなります

食事時以外にも取り外しが必要

食事の際はマウスピースを取り外す必要があります。装着したままでの飲食は、虫歯・歯周病のリスクが高まるからです。ただし、この飲食は朝昼晩の食事やおやつタイムの時だけではありません。一般的にマウスピース装着時に口に含められるのは、「水、白湯、炭酸水」のみです。
そのため、「コーヒーやジュースなどでちょっと休憩」というときにも、マウスピースを取り外す必要があります

噛み合わせが合わなくなることも

マウスピース矯正は、装着時は常に歯の表面を装置が覆っている状態になります。そしてマウスピースの破損を防ぐために、歯を強く噛み合わせることができません
そのため、矯正期間を通して上顎の奥歯が下に下がってきてしまい、治療期間終了後、奥歯がしっかりと嚙み合わなくなっているリスクがあります。その場合は担当の歯科医にご相談してください。

と、こんな感じで矯正方法にはそれぞれ特徴があります。ビセットラインは審美的であることは大前提とし、

(1)舌側ワイヤー矯正によって短期間で歯をしっかりアーチ型に整える
(2)次にマウスピース矯正を短期間実施し、微調整を行う

という2段階のステップて治療を行う歯列矯正サービスです。それぞれの矯正手法の良い部分を組み合わせ、また弱点を補う工夫で、短期間で最適な歯並びに導きます。