今回のコラムでは、ビセットラインの公式LINEでご質問の多い「口ゴボ」についてご紹介します。
口ゴボとは? その悩み
顔を横から見て、鼻の頭から顎先を結ぶ直線を「Eライン」と呼びます。「口ゴボ」とはこのEラインから口が飛び出している状態(見た目)を指す言葉です。あくまで一般論ですが……、Eライン上、または少し唇が内側にある状態が美しいと言われています。
口ゴボの悩みとしては、やはり口が突き出して見えるその見た目です。鼻の下が長く見えたり、口全体がとんがって見えるため、コンプレックスを抱える方もいらっしゃいます。また咀嚼や発音への影響がある場合も少なくありません。
そうなると、歯並びや口腔内に問題を抱える方全般に言えることですが、見た目のコンプレックスによって、人前で自然に笑うことができない、という方が非常に多いのではないでしょうか。
さらにリスクとしては、口呼吸になりがちなため口腔内への菌の侵入機会が増え、むし歯や歯周病のリスクの高まること、また風邪をひきやすくなる可能性などが考えられます
日本人は口ゴボになりやすい要素が揃っている!?
口ゴボの原因は、前歯の前突、いわゆる出っ歯と言われる症状によるものです。特に上顎前歯の前突および上下顎両方の前歯前突の場合に、口ゴボになりやすいと言われています。
これらの不正咬合には、先天的原因と後天的要因があります。
先天的要因
- 遺伝
- 骨格的な問題
先天的な要因の一つとして、そもそも日本人は骨格に対して歯が大きく、特に上顎前歯が大きいという特徴があります。そのため「出っ歯」と言われる歯並びも多く、結果的に口ゴボになりやすい要素が揃っているとも言えます。
後天的原因
- (幼少時の)指しゃぶり
- 習慣的な癖(舌で歯を押し出すなど)
後天的な要因については、習慣的な要因(癖)が原因であるため、その癖の改善を行っていくことで前歯前突を予防したり、症状の進行を防ぐことも可能です。
ひょっとして、こんな癖ありませんか(後天的要因)?
口呼吸
実は、口を閉じているとき、唇は前から歯を支えています。日常的に口が開いたままになっていると、この支えが無くなり、前歯が舌で押されて傾いていき、口ゴボになるリスクが高まってしまいます。
下唇を噛む
何か考え事などをするときに「唇を嚙む」癖がある方は要注意です。噛む頻度が高いと、前歯が徐々に前方に傾き、唇を押し出すことで口元全体が前に出てしまいます。
指しゃぶり
3歳を過ぎての過度な指しゃぶりは歯列の乱れを引き起こすため注意です。また舌の位置もチェックポイントです。口を閉じているとき、舌は上顎の裏側に軽くついている状態が正しい位置となります。前歯の裏側に触れているような場合は将来的な前歯前突のリスクがあります。
口ゴボの治療方法について
口ゴボは前述の通り、後天的な原因である場合においてはその原因となる癖を改善していくことで、症状の進行を食い止めることは可能かもしれませんが、やはり根本的な解決を自力ですることは不可能です。
そのため、歯列矯正や外科手術による治療が基本となります。先天的な骨格に起因する口ゴボなど、外科手術を必要とするケースはありますが、手術が必要ないのであれば、歯列矯正治療がお勧めです。歯列矯正は外科手術と比較して治療期間は長いですが、治療経過をご自身で確認しながら進められるというメリットがあります。
歯列矯正
歯列矯正の方法は、歯並びの状態と、歯を動かすスペースをどう確保していくのかという治療計画によって変わってきます。また前突以外にも矯正要因がある場合はその内容にもよります。一般的には下記のとおりです。
ワイヤー矯正(表・裏)
- 適応症例
- 抜歯を伴うような比較的大きな歯の移動が必要な重度な症例
- マウスピース矯正で対応可能な症例は全て可
マウスピース矯正
- 適応症例
- すでに歯を動かすスペースがある場合(すきっ歯など)
- 比較的軽度な症状で、IPR(歯の両端のエナメル質を削る)対応で済むもの
その他の治療例
- セラミック矯正
- 歯を大きく削り、セラミックの義歯をかぶせる治療方法です。ただし、天然の歯を大きく削ることになるため、歯の寿命を縮めてしまうなどのリスクも伴います。
- 外科矯正(セットバック)
- 顎の骨を外科手術によって切って後退させることで、口元のラインをきれいに整える治療です。外科矯正を行う歯科医院や、美容整形外科で実施が可能です。セットバック整形は高度な医療技術を必要とするため、経験豊富な専門医を紹介してもらいましょう。また歯並びや噛み合わせに対する知識も必要なため、専門歯科をお勧めします。
口ゴボ(前歯前突)の矯正治療症例
口ゴボの主な原因である前歯前突について、ビセットライン矯正(舌側ワイヤー + マウスピースのハイブリッド矯正)における治療症例を紹介いたします。
前歯前突
治療内容 | 上顎の歯列矯正 ●舌側ワイヤー矯正 + 夜間マウスピース ●マウスピース矯正による微調整 |
治療費 | 450,000円 |
治療期間 | 8ヶ月間 ●舌側ワイヤー矯正: 6ヶ月 ●マウスピースによる調整: 2ヶ月(3回交換) |
歯列矯正をご検討の際には、「抜歯/非抜歯」「矯正方法による向き不向き」などを、歯科医に十分に質問・確認をしてご検討ください。
ビセットラインでは、治療前のシミュレーションで、患者様に合わせた治療計画、また治療完了後の予測を動画でご案内いたします。シミュレーション=治療開始ではありませんので、結果を歯科医と十分にご確認の上、治療開始についてご検討ください。
まずは歯科での相談がオススメ
歯列矯正治療と、外科手術(整形)。どちらも保険適用の無い自由診療ですし、まずはどこに相談しようか迷う方も多いのではないでしょうか。
そんな方は、まずは歯科医院で相談することをお勧めします。歯列矯正治療が可能な歯科医院であれば、治療開始前に事前シミュレーションを実施できるサービスもたくさんあります。また矯正治療を行っていない歯科医院においてもレントゲン撮影をすれば、歯列改善が図れるかどうかもある程度分かります。
歯は一生もの。歯科医と相談の上、納得してから始めましょう。